鳥取県在住のへなちょこ虫屋のブログ。
たまに野鳥も。

九州を急襲!w

6月に入って間もないある日,いつものようにFacebookを眺めていた僕は,とある虫の写真に目が釘付けになった.

 

「今年も多いのですか?」「はい,来ますか?案内しますよ?」「では明日伺います」

 

トントン拍子で超・弾丸の九州遠征が決定した.こうなるといてもたっても居られない,すぐさま出発である.つまらないギャグを言っている場合でゎなぃ.

夜中の下道をぶっ飛ばし,途中仮眠をとって現地に到着したのは午後3時すぎ.

挨拶もそこそこにポイントを案内してもらう.

 

ギンスジヒゲナガ♀

ギンスジヒゲナガ♀

ギンスジヒゲナガ♂

ギンスジヒゲナガ♂

これですよ,これ.これに逢うために九州まで来たんですよ!感無量.

しかしまあ,なんと美しいヒゲナガだろう...Fairy mothという英名がしっくり来る.

 

話に聞いていた通り個体数は多く,採集・撮影には苦労しなかった.研究に必要な数のサンプルを秒で集めることができた.本当にありがとうございます...

 

夜はナイターへ.

点灯後すぐにフタベニオビノメイガが飛来するが,パニクってる間にどこかへ行ってしまい,二度と戻ってくることはなかった.ゴミすぎてゴミになった.

月が明るく,かつ乾燥していてコンディションは最悪だったが,ウラジロキ・キンバネスジ・クロミャクといった近場では得難いノメイガが得られて良かった.

 

フタスジギンエダシャク

フタスジギンエダシャク

2頭ほど飛来.かねてより憧れていた非常に美しい蛾で,分布は局地的だがここではそれほど珍しくもないそう.

 

ナイター後は家に泊めていただき,ビールを飲んで標本を見せていただいたりするなどしていたら夜が明けるなどした.

 

【二日目】

 

安定の11:30起床.蛾屋の朝は遅い.昼飯を食べて(ここで食べた"地鶏焼き"がうますぎて馬になった),ウスベニヒゲナガのポイントを案内してもらう.

 

ウスベニヒゲナガ♂

ウスベニヒゲナガ♂

 

ウスベニヒゲナガ♀

ウスベニヒゲナガ♀

 

こちらも難なく十分な個体数を採集できた.群飛も見られるとのことだったが,この日は風が強く気温が低かったからか,♂単体の飛翔は見られたものの群飛には至らなかった.

近くではホソフタオビヒゲナガも採集できた.系統解析用に新鮮なサンプルが欲しかったところなので嬉しい収穫.

 

キンモンガ

キンモンガ

九州産は紋が白く,飛んでると全く別の蛾に見えた.

ベニモンマイコモドキ

ベニモンマイコモドキ

アカスジキンカメムシ

アカスジキンカメムシ

周辺で見られた虫.なかなか良い環境だった.

 

この後は折角九州に来たからということで博多ラーメンをごちそうになり,帰途についた.

 

急なお願いにもかかわらず快くポイントを案内して頂き,家にまで泊めてくださったSさん,ウスベニヒゲナガのポイントを案内して頂いたIさん夫妻,どうもありがとうございました.

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種名ラベルの作り方

今までずっと種名ラベルを手入力していたのですが、どちゃくそ時間がかかって効率的じゃないので、標本データを入力したExcelファイルから種名ラベルを作成する方法を考えました。誰が読むんだよwって内容ですがまー備忘録も兼ねて。

説明下手で分かりにくいと思いますがご容赦を。

 

僕はこんな感じでExcelに標本の情報を入力して管理しているのですが、今回はこのファイルを基に「通し番号」「和名」「性別」「学名」を記載した種名ラベルを作ります。

ちなみに、Excelを利用したデータ管理の方法は『鱗翅類学入門』(東海大学出版部,2016)の「第6章 標本の保存と利用」に詳しくかつ分かりやすく書かれているので一読を勧めます。

 

同定した標本は属名、種名、亜種名を分けて入力していくのですが、ここでこれら3つを組み立てた「学名」という項目を作っておくのがミソです。すなわち、上の写真の僕のファイルでは属名がG列、種名がH列、亜種名がI列なので、後方の適当な列に「=Gn & " " & Hn & " "  & In」(nには行の数字が入ります)という数式を入れてやれば、分けて入力した属名、種名、亜種名から、一つのセル内に学名を組み立てることができます。これをオートフィルで同じ列全部に数式を入れてやるわけです。

ちなみに、和名と学名の対訳表さえあれば、入力した和名からVLOOKUP関数を使って属名、種名、亜種名を自動で補完する、なんてことも可能です。詳しくは上記『鱗翅類学入門』に書かれているので具体的な説明はここでは省きます。

 

さて、ここからが本題の種名ラベル作りです。

 

手順としては、(1)新しいExcelファイルに「番号」「和名」「性別」「学名」をコピペする、(2)新規シートを作成し、「番号」「和名」「性別」「学名」を一つのセル内に組み立てる、(3)完成したExcelラベルをWordに貼り付けて整形する、という流れになります。

 

以下順を追って説明していきます。まず新しいExcelファイルを作り、上記の標本データを入力したファイルから「番号」「和名」「性別」「学名」をコピーし、新しく作成したExcelファイルに値で貼り付けます。シートの名前は仮に「データ入力」としておきます。

 

 

新しいExcelファイルを作り、A列に番号、B列に和名、C列に性別、D列に学名を入力した状態。

 

新しいワークシートを作成し、先ほど作ったシートから「番号」「和名」「性別」「学名」を組み立てたラベルを作成します(シート名は仮に「ラベル出力」とします)。このとき、CHAR関数を使って番号、和名+性別、学名のそれぞれの項目の間に改行を入れてやります(ここもミソ)。すなわち、A1のセルに「=データ入力!A1 & CHAR(10) & データ入力!B1& データ入力!C1& CHAR(10) & データ入力!D1」と入力します。セルは「折り返して全体を表示する」に設定しておきます。

 

今回は16行×5列のラベルを作成したいので、オートフィルを使って16行×5列になるように数式をコピーします。

この数式の入力さえしておけば、「データ入力」シートにデータを入れさえすれば自動でラベルが出力されるようになります。

 

 

こんな感じ。フォントはメイリオ、サイズは3.5、セル内の文字は上揃え・左詰めです。このまま印刷したいところなのですが、Excelでは行間を詰めたりセル内の余白を設定することができないので、ラベルが無駄に大きくなりがちです。

 

そこで出番となるのが我らがWord様です。

 

 

新しいWordファイルを作成し、先ほどExcelで作成した種名ラベルを「元の書式を保持」で貼り付けます。もちろん見ての通りこのままだとめちゃめちゃなので整形してやります。

具体的には、表全体を選択して、「行間を4pt・セル内の余白を0・セルの高さを7mm・セルの幅を15mm」に設定します。学名をイタリックにするためにフォントを斜体にします。メイリオは単に見栄えがいいだけじゃなくて、全選択して斜体にすると英数字のみが斜体になるのでラクですね。通し番号まで斜体になっちゃいますがまあ細かいことは気にしない(ワラ

 

 

はい、種名ラベルのできあがり。あとはプリンターの設定を最高品質にして印刷するだけです。用紙サイズはハガキが丁度いいかと思います。

 

...我ながら力技感があるのは否めない(ワラ

もっとスマートかつクールな方法をご存知の方は是非教えてください。

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2016年まとめ

久しぶりの更新。

今年は採集記書くのもサボってしまってたので,せめて写真だけでも貼りつつ振り返っておこうと思います。

 

1月-2月

年明けに島根に帰省。情報をもらってた珍鳥をことごとく空振るなどした。それ以外は...特になにもしてないです(ワラ

 

ホシムクドリ

ホシムクドリ(1月 島根県)

 

3月-4月

学部最後の遠征ってことで八重山遠征→大阪で学会→奄美遠征をハシゴするなどした。さすがに無理が祟ったのか奄美でインフル発症して何もできない数日を過ごすなどした。
4月から入院生活に入り,下旬からは修論の調査をダシに実家の車を借りて水を得た魚のように採集に行きまくった。

ヒメニジュウシトリバ

ヒメニジュウシトリバ(3月 西表島)

ちびおさんにお古の一眼を譲ってもらったのでミクロレピをバッチリ撮れるようになった(ちびおさんありがとうございました♡)
西表が初陣となったのでありました。

 

ピナイサーラ

ピナイサーラの滝(3月 西表島)

ここまで来るのにそれはそれはきっつい山道を一時間かけて登るわけですが,ここまで発電機担いできてナイターしたバカがいたらしいですよ(ワラ

 

ルリカケス

ルリカケス(3月 奄美大島)

 

 

ユワンオオエダシャク

ユワンオオエダシャク(3月 奄美大島)

これを採った頃に体調悪化がピークとなり、翌日病院でインフルと診断された(このあと丸二日くらい寝込んでいた)

 

アマミキシタバ

アマミキシタバ(4月 奄美大島)

 

イボイモリ

イボイモリ(4月 奄美大島)

 

ハグルマヤママユ

ハグルマヤママユ♀(4月 奄美大島)

 

アマミアオシャチホコ

アマミアオシャチホコ(4月 奄美大島)

 

クロウタドリ

クロウタドリ(4月 奄美大島)

 

エゾヨツメ

エゾヨツメ♂(4月 鳥取県)

 

オオシモフリスズメ

オオシモフリスズメ(4月 鳥取県)

 

イボタガ

イボタガ(4月 鳥取県)

 

5月

修論の調査のため晴れた日はほぼ毎日山に通った。

GWに時間がとれたので3年振りとなる隠岐に行ったり、かねてより憧れの地だった信州に行くなどした。

 

ケブカヒゲナガ

ケブカヒゲナガ(5月 隠岐の島)

 

ワカヤマヒゲナガ

ワカヤマヒゲナガ(5月 隠岐の島)

 

シロモンアカガネヨトウ

シロモンアカガネヨトウ(5月 群馬県)

 

キボシミスジトガリバ

キボシミスジトガリバ(5月 岐阜県)

 

ミドリヒゲナガ

ミドリヒゲナガ(5月 長野県)

 

キベリカタビロハナカミキリ

キベリカタビロハナカミキリ(5月 某所)

 

 

6月

虫の日ラベルのコクシエグリを狙いに行った以外は近場でおとなしくしていた。近場でもオビグロとかいうとんでもないものが採れたりフジミドリやらムネモンヤツボシやら良い虫がぽろぽろ採れるなどした。

 

コクシエグリシャチホコ

コクシエグリシャチホコ(6月 長野県)

 

フジミドリシジミ

フジミドリシジミ(6月 鳥取県)

 

オビグロスズメ

オビグロスズメ(6月 鳥取県)

 

7月

頭がおかしいから月に二回も長野に行った。ギンヒゲナガちょううれしかった。

近場ではスネケブカとギガンを狙ったけどザコなのでとれなかった。

 

トラフカミキリ

トラフカミキリ(7月 鳥取県)

 

ヒメハルゼミ羽化

ヒメハルゼミ羽化(7月 鳥取県)

 

アズミキシタバ

アズミキシタバ(7月 長野県)

 

アカムネハナカミキリ

アカムネハナカミキリ(7月 長野県)

 

ハンノケンモン幼虫

ハンノケンモン幼虫(7月 鳥取県)

 

オオチャイロハナムグリ

オオチャイロハナムグリ(7月 鳥取県)

 

キシタギンウワバ

キシタギンウワバ(7月 群馬県)

 

ヒョウモンエダシャク

ヒョウモンエダシャク(7月 群馬県)

 

イブキスズメ

イブキスズメ幼虫(7月 群馬県)

 

ギンヒゲナガ♂

ギンヒゲナガ♂(7月 長野県)

 

ギンヒゲナガ♀

ギンヒゲナガ♀(7月 長野県)

 

8月

研究室で飼育してる虫の数がピークを迎える。下旬にククリアを採りに行った以外は虫の世話してた記憶しかない(ワラ

 

コシロオビドクガ

コシロオビドクガ♂

採卵して研究室で飼育羽化させたもの。累代はうまくいかなかった。

 

ケカゲロウ

ケカゲロウ(8月 鳥取県)

『裏山の奇人』で初めて存在を知った珍種は思ってた以上に美しかった。

 

ヨコヤマヒゲナガカミキリ

ヨコヤマヒゲナガカミキリ(8月 鳥取県)

 

ナマリキシタバ

ナマリキシタバ(8月 鳥取県)

いつものポイントでのナイターでヨコヤマと同じときに採れて、いつものポイントの底力をみた。

 

 

ギンモンセダカモクメ

ギンモンセダカモクメ(8月 静岡県)

 

ダイセンセダカモクメ

ダイセンセダカモクメ(8月 静岡県)

 

9月

中国地方の蛾屋の集まりである六虫会が鳥取で開催されたので参加するなどした。とにかくナイターに行きまくった月で、3日連続ナイターとかしてたワラ。成果の方も上々で、クロビロードやらトビイロアカガネやらフタシロオビノメイガやらアフリカシロナやらカバフキシタバやら珍品を落としまくった。

下旬はシーズン最後の遠征でこれまた長野に行って秋の蛾にまみれつつ水銀灯を落として割るなどした。

 

クロビロードヨトウ

クロビロードヨトウ(9月 鳥取県)

 

トビイロアカガネヨトウ

トビイロアカガネヨトウ(9月 鳥取県)

 

シロスジキリガ

シロスジキリガ(9月 群馬県)

 

クロウスタビガ

クロウスタビガ(9月 群馬県)

 

10月-12月

あんまり採集に行けなかったが、雌雄モザイクのコシロオビドクガが羽化したりするなどした。

 

コシロオビドクガモザイク

コシロオビドクガ雌雄モザイク(11月羽化)

 

マエジロアカフキヨトウ

マエジロアカフキヨトウ(11月 鳥取県)

 

ウスミミモンキリガ

ウスミミモンキリガ(12月 鳥取県)

 

2016年、特に蛾に関しては何かが憑いてたんじゃないかってくらい成果のあった一年でした。

そりでわ良いお年を......

 

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白バック写真の撮影法

気づけば三か月も放置してしまいましたが,今回は白バック写真の撮影法を紹介します.

僕の方法は極めてシンプルかつ邪道な方法ですが,コスパの良い方法だとは思うので参考になればと.

 

まず,背景を白く抜かすために白いお皿に乗せるわけですが,おとなしく乗ってくれれば良いものの,大抵は暴れてしまってそう簡単には乗ってくれません.そこで,

 

 

普通に酢エチを入れた毒ビンで半殺しにします.

まだピクピクしてるくらいで取り出すのがポイント.やりすぎると死んでしまいます...

 

 

半殺しの状態で皿に乗せてやります. 今回のモデルは初秋のド普通種ことマエホシヨトウちゃんです.

 

 

しばらくすると蘇生してくるので,ピンセットなどで少し刺激してやると生前の状態まで戻ります.

 

あとはカメラの設定をマニュアルにして撮影するだけですが,それでも背景が完全に真っ白になるわけではないので,加工ソフトを使って補正してやります.

 

 

編集前の元画像.背景に若干色がついてるのが分かるかと思います.これをフリーソフトのGIMPを使って編集してやります.


 

色→レベル→白点を設定をクリックして,画像の白く抜かしたい部分をクリックします.

※一回クリックしただけだと完全に真っ白にはならないことがあります.その場合は真っ白にならなかった部分を再度クリック.これを何度かすることで真っ白になります.あと,背景にゴミが写ってる場合はブラシで消してやります.

 

 

 

はい,背景が真っ白に抜けた白バック写真のできあがり.

 


なお,今回の記事を書くに当たりこちらのブログの記事(http://mushisukidesu.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-2f14.html)を大いに参考にさせて頂いております.また,TwitterでGIMPを使った画像編集方法を教えてくださった@Hepotaさん,ご教授ありがとうございました.

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3年ぶりの隠岐

長野の記事と順番が前後しますが,今年のGW前半は3年振り二度目となる隠岐に行ってました.僕にしては珍しく()全日程が天気良く,狙っていたものも採れ,本業のヒゲナガガに関してもいくつかの生態的な知見を得られたので有意義な遠征でした.

ケブカヒゲナガ

ケブカヒゲナガ
ケブカヒゲナガ Adela praepilosa の♂と,そのスウォーム(群飛).


サッポロヒゲナガ

サッポロヒゲナガ
サッポロヒゲナガ Nemophora sapporensis (?)の♂と,そのスウォーム.

とあるポイントではこの二種のヒゲナガが,目線の高さからそれよりも下の高さでスウォームしていたので4日間通って観察・撮影してました(飛翔写真は没写真を量産するだけに終わりましたが...)
このようなポイントは中々ないので来年のGWもまた行きたいところです.


隠岐の固有種(亜種)たち.

オキマイマイカブリ
オキマイマイカブリ Carabus blaptoides brevicaudus
ナイター中に路上を歩いている個体が何頭か見られた.前回行ったときは採れなかったので嬉しい収穫.

オキオサムシ
オキオサムシ Carabus  daisen okianus
ダイセンオサの亜種のくせに赤くて美しいオサムシ.PITも一応仕掛けてたんですが入ってたのはこの1頭のみ...


オキサンショウウオ
オキサンショウウオ Hynobius okiensis の幼体.とてもかわいい.
林道脇の水路にいるのを同行していたmzkが見つけてくれた.

ちなみに,ナイターでは隠岐どころか中国地方からの記録がない某蛾を狙ったのですが,食草を同じくする別の蛾は飛来したものの惨敗でした.ナイターした全夜が快晴で,放射冷却により気温が下がってコンディションが悪かったからなのか,それともやっぱりいないのか.この時期の隠岐はまだまだやるべきことが多そうです.
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